Yamio’s Disc

アフィリエイト広告を含みますよ。けど審査に落ちましたよ。

矢野顕子 / BROOCH(ブロウチ)

矢野顕子 / BROOCH

 1985年6月発売
 通算10枚目
 (スタジオアルバムとして8作目)
 オリジナルはアナログシングル版4枚組の自主製作
 のちに曲を追加し坂本・矢野によるMIDIからアルバムとして発売。
 写真は1991年3月のCD再発版(MDC7-1018)

収 録 曲
  1. ゆめのよる / (詞 : 谷川俊太郎 / 曲 : 高橋悠治)
  2. 小まどから / (詞 : 岡真史 / 曲 : 高橋悠治 / Arranged by 戸島美喜夫)
  3. リンゴ / (詞 : 岡真史 / 曲 : 高橋悠治)
  4. はこ / (詞 : 谷川俊太郎 / 曲 : 高橋悠治)
  5. Fromm (Piety) / (G. Falke / A. Webern)
  6. Beau Soir (Beautiful Evening) / (P. Bourget / C. Debussy)
  7. Pastorale (Pastoral) / (I. Stravinsky)
  8. Vorfrühling (Earliest Spring) / (F. Avenarius / A. Webern)
  9. The Owl and the Pussy-Cat / (E. Lear / I. Stravinsky)
  10. Chanson Française (French Song) / (traditional harmonized by M. Rabel)
  11. Chevaux de Bois (Wooden Horses) / (P. Verlaine / C. Debussy)
  12. Die Wetterfahne (The Vane) / (W. Muller / F. Schubert)
  13. Il Pleure dans mon Cœur (Tears Fall in my Heart) / (P. Verlaine / C. Debussy)
  14. Voici que le Printemps (Here is Spring) / (P. Bourget / C. Debussy)
  15. Die Forelle (The Trout) / (F. Schubert / F. Schubert)
  16. Der Lindenbaum (The Linden-Tree) / (W. Muller / F. Schubert)
  17. Ständchen (Serenade) / (W. Shakespeare / F. Schubert)
  18. Le Temps a Laissié son Manteau (Old Time Now his Mantle hath Doffed) / (C. d'Orleans / C. Debussy)

 MIDIから発売されたLP盤は
 A面=M1~10
 B面=M11~18


NOTES

 Produced by Akiko Yano
 Recorded at Sound Inn & Onkio Haus, Tokyo, Jan - Mar, 1985.
 Engineered by Shinichi Tanaka, Kinji Yoshino (M11, 12, 14, 15, 16, 17)
 Mixed by Shinichi Tanaka, Ryuichi Sakamoto, Kinji Yoshino (M11, 12, 14, 15, 16, 17)
 Assisted by Naoyuki Minami, Shigeru Minagami, Shinichi Yano, Kazuyoshi Inoue, Tatsuya Morioka, Yohei Irieda, Kazuhiko Yanagisawa
 Mastered by Tohru Kotetsu

 Art Direction : Hajime Tachibana
 
 Management : Dobey Nagata
 Executive Producer : Hiroshi Okura


MUSICIANS

 Yuji Takahashi - Piano
 Yuji Takahashi & Ryuichi Sakamoto - Piano (M11, 15, 16)

雑 想


 この企画自体が当時の自分(高1)にはピンと来なかった。
 なんせオリジナルはなく、矢野がクラシック歌曲を歌うという触れ込みだ。
 「ラーメンたべたい」の次の一手がこれかいと。
 YMOも、その他お馴染みのアーティストも参加していないというし。
 なにより矢野がピアノを弾いていないというし。
 そして当時は今と比べて視聴の機会が極端に少なかったのである。
 内容はまったくの未知だった。
 バイトもしてはいたけれどそこにおカネをつぎ込むのは高校生にとってあまりにギャンブルだったのである。
 
 やがて成人し、MIDIから出たこのCD版を後追いしてやっとこさ聴くことができた。
 けれど、その時もあまり心を動かされることはなかった。
 クラシックの教養があったなら、ともすれば理解できたのかもしれない。
 が、当時の自分にとってそれは背伸びが過ぎるぞと。
 結果、ほんの一、二度聴いただけでほっぽらかしていた。
 
 実を云えばこの稿を書くにあたって掘り出してあらためて聴いている次第であり。
 いまも流しっぱなしにしている。
 上に貼ったXでのポストがその率直な感想なのであーる。

 このブログを開設するにあたって年代順に矢野の作品を聴いてきたわけであるが。
 なるほど「春咲小紅」「ラーメンたべたい」とヒットが続いたいわばアーティストとしての青春期だったのだと再確認。
 ここで「柳の下の二匹目の泥鰌」よろしく二番煎じでお茶を濁すのか。
 もしくは創作家としてのエゴを満たさんと新たな冒険に出るのか。
 当時人気絶頂のYMOは「ライディーン」や「テクノポリス」での成功のあと自己模倣には走らずに『BGM』へと舵を切った。
 一生に一度あるか無しかの商売抜きでやりたいことができるチャンス。それはいわば岐路であって、彼らはそう舵を切ったのである。
 他方、矢野顕子のカードの切り方がこれだったのではないかと思ふ。

 なんせ『自主製作』である。『通販』なのである。


 矢野顕子矢野顕子たらしめている重要な要素が、このアルバムにあるのではないかと思う。
 矢野にしては正調をこころがけて唄ってはいる。
 けれど、節回しのところどころに紛れもない矢野顕子が出てしまう。
 それは隠しようもない。

 才能とはそういうものだ。

 いわゆるポップスと云われる音楽だけを聴いているだけでは、こんな感性が育ってくるわけはないのだけれど。
 その素養というか、バックボーンがこのアルバムで惜しげもなく公開されていると思う。

 そして日本語だからだろう。
 とりわけ前半の諸作品に、その詩の世界に、あたしゃすとんと放り込まれてしまったのであーる。
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 “たろうは ゆめのよるに
 ゆめのふとんを かぶって
 ゆめのねしょんべんを しながら
 ゆめのゆめを みてるまに
 ゆめのパジャマを きたまま
 ゆめのしんくうそうじきに
 すいこまれてしまった”


 すいこまれてしまったのはあたしのほうである。

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BROOCH(紙ジャケット仕様)

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  • アーティスト:矢野顕子
  • ユニバーサル ミュージック
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